1. はじめに:アプリは「リリースしてから」が本番
こんにちは、ソーイ株式会社の西浦です。
前回の記事では、熊本市立千原台高等学校の皆さんと「自転車事故防止アプリ」を開発し、App Storeへリリースするまでの取り組みをご紹介しました。
しかし、アプリ開発は「作って、ストアに出して終わり」ではありません。
実際にユーザーに使ってもらい、課題を見つけ、改善し、データを集めて効果を検証する。この「リリース後の運用フェーズ」こそが本番です。
今回は、リリース後のアプリがどのように改善されたのか、そして生徒たちの探究活動がどのような成果を迎えたのかをご報告します。
2. 実際に使って見えた課題とアップデート
アプリのリリース後、探究メンバーの生徒たち自身で数日間、実際の通学路でテスト利用を行いました。
すると、開発中のシミュレーター上では気づかなかった、現場ならではの具体的な課題が見えてきました。
生徒たちから上がってきた修正依頼は以下の通りです。
- 課題①:通知距離の調整
「危険箇所の通知距離(最低25m)だと、危険箇所同士が近い場合に連続して通知が鳴ってしまい、どこの警告かわからなくなる」 - 課題②:専用の通知音の追加
「他のアプリの通知音と一緒だと、危険箇所のお知らせだと直感的にわからない。『千原台マップ』専用の通知音があるとよりわかりやすい」
机上のテストだけでは分からない、実際に利用したからこそ得られた重要な気づきです。
この要望を受け、弊社側で速やかにアップデート対応を行いました。
通知が連続しないよう距離のロジックを調整し、生徒たちが選んだ「専用の通知音」を設定して再リリースしました。
「自分たちが出した改善アイデアが、実際の機能としてすぐアプリに反映される」という、ソフトウェア開発の改善サイクルを体験していただく良い機会となりました。
3. 生徒たちの活動:アプリの普及とデータ収集
アプリがより使いやすくなった後、生徒たちの活動は「どうやって全校生徒に使ってもらうか」というフェーズに移りました。
まずはアプリを知ってもらうために、生徒たち自身で「アプリ告知POP(チラシ)」を作成し、校内での配布・掲示を行いました。


そして、一定期間アプリを使ってもらった後、アンケートを実施して「このアプリで本当に事故防止の意識が変わるのか?」の仮説検証を行いました。
アンケートからは、以下のような生の声が寄せられました。
- 「危険箇所に近づく前に通知が鳴るので、意識して自転車を運転することができた」
- 「ハザードマップのように、新学期に通学路を確認する用途に使えると思った」
- 「事故に対する注意力が上がった」
さらにアンケートでは、「ナビ機能がほしい」「事故が起こりやすい場所をさらに表示してほしい」など、次期バージョンへのアイデアも多数寄せられました。
自分たちの作ったツールで人の意識が変わり、フィードバックがもらえるという経験は、生徒たちにとって非常に大きな学びになったはずです。
4. 嬉しいご報告:校内コンテストで見事「3位」に入賞!
「アプリの企画・開発」から「ユーザーの声を元にした改善」「データ収集と効果検証」に至るまで。
この一連の探究活動の成果をまとめ、生徒たちは校内のコンテストに出場しました。
その結果、数多くのチームの中から予選を通過してファイナリスト(上位8組)に選出され、さらに本選での発表を経て、最終的になんと「3位」という素晴らしい成績を収めました!

本選の舞台に立ち、自分たちの取り組みを堂々と発表したというご報告は、技術サポートとして伴走してきた私にとっても大変喜ばしいものでした。
彼らが一生懸命取り組んできたプロセスが、学校内でも高く評価された素晴らしい結果です。
5. おわりに
ゼロからの開発、Appleの審査対応、そしてリリース後のアップデートからコンテストでの評価まで。
この数ヶ月間の取り組みは、生徒の皆さんにとってはもちろん、私自身にとっても非常に有意義な経験になりました。
ソーイ株式会社では、「システムを作って納品して終わり」ではなく、実際に運用し、改善するところまでお客様と一緒になって取り組む姿勢を大切にしています。
今後もこうした活動を通じて、ITの力で課題解決を支援してまいります。
千原台高校の皆さん、本当にお疲れ様でした。








